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クレジットカードの事業者には「イシュア」「アクワイヤラー」「ブランドホルダー」の3業種が存在しています。

そのうちの「ブランドホルダー」にはさらに「国際ブランド」と「ローカルブランド」が存在しており、今回は「国際ブランド」について見ていきましょう。

カード業務を行う国際ブランドと行わない国際ブランド

 

国際ブランドの役割は、決済ネットワークの管理運営やブランド規約の策定などを行うという点は共通していますが、そこからさらにカード業務を行うブランドと行わないブランドに分かれます。

 

カード業務を行わない国際ブランド

 

この形態の国際ブランドとしては「VISA」と「Mastercard」の2つが存在しています。

両者は自らカード発行や顧客開拓などの業務は行わず、各地域の金融機関やクレジットカード会社とメンバーシップ契約を結び、一定のフィー(手数料)を得る対価として国際ブランドのロゴや決済ネットワークの使用権、カード発行権などを付与するビジネスモデルを構築しています。

パートナーシップを結んだ金融機関はさらに「イシュアー」や「アクワイリング」などの業態に分かれます。

 

Visa inc.

 

世界中のクレジットカード決済の約60%ものシェアを誇り、会員数は20億人を超える世界を代表する国際ブランドです。

もともとはバンカメの通称でも知られる「バンク・オブアメリカ」が1958年に発行した「Bank Americard(バンカメリカード)」が前身で、世界最大の加盟店数と決済ネットワークを持っていおり、現在はその巨大さ故からか北米を中心とする「visa world wide」とEUに本部を持つ「Visa Europe」に分かれています。

 

MasterCard World wide

 

1966年、チェースマンハッタン銀行を中心とした東海岸における銀行協会「Interbank Card Assocation(ICA)」が組織され発行された「Master Charge」が前身となり、現在のMaster cardが誕生しました。

現在ではVisaに続く世界第二位の国際ブランドを確立しており、現在約30%もの世界シェア、11億人を超える会員数を誇っています。

 

Visa MasterCardの株式公開

1960年代に設立されて以来、両ブランドとともに世界各国の金融機関を株主とするいわゆる会員組織でありましたが、2000年代に入りウォルマートを代表とする流通・小売業からの巨額の損害賠償請求を受けて株式公開をすることになりました。

2009年の過払い金請求の活発化により日本のクレジット会社などが国際ブランドの株式の売却を行ったことは記憶に新しいところです。

 

自らカード業務も行う国際ブランド

 

JCBなど自らのブランド確立とともにクレジットカードの発行(イシュア)や加盟店獲得(アクワイアリング)も行う国際ブランドです。

 

JCB

 

日本初の、そして唯一の国際ブランドです。

実はアメリカ以外で国際ブランドを確立しているのはJCBと中国銀聯の2つだけであり、日本国内では圧倒的なブランドと言えます。

世界シェアは1%(世界シェア5位)会員数は8000万人とVisa・MasterCardには遠く及ばない数字となってしまっていますが、現在ではタイやベトナム、インドネシアなどの東南アジア圏にてそのシェアを伸ばしています。

JCBは「Japan credit Bureau」の略で、1961年に東洋信託銀行・日本信販・三和銀行の3社が設立にかかわっており、歴代社長は三和銀行(三菱UFJ銀行)出身が多いことでも知られています。

 

中国銀聯

 

設立は2002年と国際ブランドとしては最も新しく、クレジットカードよりもデビットカードのシェアが高いことでも知られています。

日本ではあまりなじみのない国際ブランドですが、発行枚数は50億枚を超えており、中国の経済成長とともに爆発的な伸びを見せています。

中国国内ではいまだローンが未整備であり、金融機関同士の送金インフラなども未整備であるためカード決済で不動産や自動車などの高額決済がされているなど中国独自の発達を遂げていると言えます。

中国銀聯はもともと80を超す金融機関の連合組織がまとまった形で誕生しているため、その成り立ちはMasterCardに近いと言えるかも知れません。

中国はいまだに与信審査などの金融インフラが整っているとは言えず、現在はデビットカードが主流ですが、今後のインフラ整備によっては大きく伸びる可能性がある国際ブランドだと言えるでしょう。

インフラの整っているJCBが国内で頭打ちになっている現状とは対称的であると言えます。

 

AMERICAN EXPRESS

 

AMEXの愛称で知られる国際ブランドです。

オハマの賢人、バークシャーハザウェイ社のウォーレン・バフェットが好むエクセレントカンパニーとしても有名です。

もともとは1850年に荷馬車運輸業者として発足した会社で、郵便為替を開発したことやトラベラーズ・チェックを発行したこと(世界で2番目)でも知られています。

創始者はヘンリーウェルズ・ウィリアムファーゴ・ジョンバターフィールドの3人で、ウェルズファーゴもその起源を同じにしています。

クレジットカード会社への参入は1958年のことで、盗難紛失時に現地での即時発行や海外で購入した商品の補償などいわゆる「ショッピングプロテクション機能」の充実が知られています。

日本ではプラチナカードやブラックカードなどブランドカードとして有名であり、世界中で均一なサービスを提供していることでも知られています。

 

ダイナースクラブ(Diners Club)

 

Dinnersという食事をする人たちという意味が語源の国際ブランドです。

社会的ステータスの高い人々を対象にしたサービスを提供しており、かつては新規入会についても会員からの紹介を重視していました。

弁護士や医師など背専門職のビジネス利用を別途管理し、決済口座も家計とは別設定でき、利用明細の経費年報を作成し、会員の事業申告(税務報告)など税務処理をサポートする機能である「BUSINESSCARD」を別途発行するなど富裕層に好まれるカードとしてブランド価値を樹立していると言えますが、フランチャイズ方式であるためかカードの審査基準が発行者によって、また国によって統一されていないなどの問題もあると言われています。

 

アメリカでは2004年にMasterCardとの相互開放が始まっており、MasterCard加盟店でも利用ができるようになっています。このことより、国際ブランドとしての機能はMasterCardに委ね、アメリカ国内では高級ハウスクラブカードとしての位置づけに変化をしているという声もあります。

 

DiscoverCard

 

もともとはアメリカの百貨店であるシアーズローバックから発行されていたハウスカードが母体であった国際ブランドです。

現在ではJCBや中国銀聯と提携し、加盟店を相互開放していますが、現在日本国内でのカード発行はされていません。

 

国際ブランドの役割

 

国際ブランドの役割には

・ブランド規則(ブランドレギュレーション)の策定

・決済スキームの開発と調整

・国際ネットワークの管理運営

・ライセンス管理

 

 

といったものがあります。

特に重要なのは「ライセンスの管理」であると言え、銀行やクレジット会社などが国際ブランドカードの発行・加盟店の開拓などをするなどのクレジットカード業務を行うためには国際ブランドホルダーとのライセンス契約が必要となり、国際ブランドの決済スキームはそれらの機関との間で売り上げデータ交換によって成り立っているからです。

このような仕組みをインターチェンジ取引と呼び、各金融機関との間で手数料である「Interchange Reimbursement Fee(インターチェンジ手数料IRF)」や「Issuer Fee(イシュアフィー)」と呼ばれるフィーによって収益をだすのが国際ブランドのビジネスモデルだと言えます。


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